無農薬の米づくり

無農薬 自然栽培米のこだわり

 もともと日本では、農薬や肥料を使わず、自然の力と生き物たちの力で育った生命力あふれる農作物が食べられてきました。 稲も野菜も、田んぼや畑の生態系と共に育つことで、元気でおいしい作物が生まれていたのです。

 しかし近年の農業は工業化が進み、生産効率化のために過剰な肥料投入や農薬の使用が繰り返され、効率重視の農業が主流となりました。 その結果、農作物の価値は外観(見た目)で決まるという考え方が重視され、一等米や二等米といった格付けが生まれました。

 日本は農薬使用量が世界的に見ても多い国のひとつで、慣行農業では、肥料や農薬による効率重視の栽培が一般的です。 世界では、農薬の安全性に関する規制がどんどん厳しくなっている一方で、日本では農薬使用の規制はあまり進んでいません。 肥料を多く与えることで作物の病気や虫の発生が増え、それに対処するために農薬使用量が増える――という悪循環も起きています。 農薬は、収量や外観を整えるために使われますが、虫や草、土壌中の微生物を殺してしまう副作用があります。

 「虫が寄り付かない野菜やお米――本当に人には無害なのだろうか」と疑問に思ったことはありませんか。 化学肥料や農薬で育てた作物は、確かに見た目は整っていますが、安全性についてはまだ分からない部分があります。

 農薬は、使わなければ野菜やお米の収量が大幅に減ってしまうこともあり、安定した農作物の供給には欠かせない面があります。 一方で、農薬の影響についてはまだ分かっていない部分もあり、使用する人や消費者の体への影響について注意が必要です。 さらに、農薬を使い続けることで土の中の微生物のバランスが崩れ、土が痩せやすくなることもあります。 農薬は農薬取締法により人体への影響が少ないよう開発されており、許容範囲の摂取量であれば問題ないと言われていますが、安全性が分からない部分もあります。

 農薬の使用による安全性は、私たちにも分かりません。分からないからこそ、農薬や化学肥料は使わず、自然の力と生き物たちの力で育てる無農薬・無肥料の自然栽培米を選んでいます。

 これにより、食品の安全性を高め、消費者が安心して食べられるお米をお届けできます。 さらに、自分たちや子どもが心底安心して食べられるお米を、消費者の健康と幸せを願いながら精一杯育てることを心がけています。 自分が本当に食べたいと思えるお米をお届けすること――それは、自分が大切に思う家族の健康を願うように、お米を手に取ってくださる方の健康も大切に思う気持ちです。

 その田んぼではカエルやトンボ、さまざまな生き物が息づき、自然の生態系がしっかりと機能しています。 農薬を使わなくても害虫被害が大きくなることはなく、稲は元気に育ち、その生命力が一粒一粒のお米に宿ります。